- コロナ禍で体を張って頑張っているのに報われない!
- ただでさえ時間外が多いのに委員会や会議で無給で働かされて納得できない!
- 仕事に加えて、結婚・出産・育児などのライフイベントでてんやわんや!
- キャリアアップって言われるけど、今の職場で昇進したり認定をとることなんて考えられない!
このような悩みを抱えながら働いている看護師は多いと思います。
特に30代看護師はおよそ10年程の経験を積んでいることが多く、委員会・後輩指導などの責任ある役割を与えられ、プレイヤーとしても完璧に仕事をこなすことが求められます。それに加えて自身のライフイベントや、Z世代の若手とお局看護師との調整役もこなさなければならないなど、業務以外での負担も多く担っていることと思います。
「辞めたい」とは思うものの、仕事の責任や、収入、再就職への不安から転職に踏み出せない方も多いですよね。
かく言う私も、「辞めたい」と「辞められない」を繰り返していましたが、2年前に14年間働いた地方の超急性期病院を辞め、介護老人保健施設(老健)に再就職しました。
再就職から2年が経ち、結果として「あの時退職してよかった。」と心から思えています。
私はこの退職・再就職の経験から、看護師転職においては「転職までの5ステップ」があると実感しました。
この記事を読むと
- 転職を考えているけど、踏み切れない。
- どうやって退職・再就職を進めていけば良いか不安。
という看護師さんが、トラブルを避けて円滑に退職し、希望に沿った再就職先を見つけるための5ステップが理解できます。
30代看護師が転職に踏み切れない理由
看護師が転職に踏み切れない理由として、
- 現在の職場からの引き留めにより、退職がスムーズにいかない。
- 現在の業務で大きな責任を背負っていて、辞めると周囲に迷惑をかけてしまいそう。
- 忙しすぎて再就職活動をしている暇がない。
- 収入が下がってしまうのではないか不安。
- 再就職先の労働環境がわからず、転職したところでもっと状況が悪くなるのではないかと不安。
などの理由が挙げられると思います。
できるだけ円満に退職したい!できるだけ不安なく再就職したい!と思うのは当然です。
次の項では、転職に踏み切れない理由を解決しながら、転職を進める5ステップを紹介していきます。
転職の進め方5ステップ
1.なぜ退職・転職したいのかを明確にする
転職においては、辞めたい理由・転職したい理由を明確にすることが、最重要です。
なぜなら、今まで「辞めたい」と思いつつも、なぜ退職したいのか、なぜ転職したいのかが明確化できず、退職・転職へ一歩踏み出せなかった経験をしている方が多いと思うからです。
退職・転職したい理由を明確にするという一歩目を踏み出すことができれば、あとはブレずに行動するだけとも言えます。
- 収入面
- 労働環境
- 人間関係
- キャリアアップ
など現環境の何が不満で転職をしたいのか明確にしましょう。
ここで一つ注意なのが、転職したい理由が複数ある場合です。
「夜勤をやらずに収入も増えて、人間関係の良いところがいい」と考えるのは理解できますが、そこまで甘くはありません。あまり欲張りすぎると、再就職を進める際にモチベーションが下がってしまうことにもなり、「今のままでいいや」と、辞めたい、辛いと思っている環境に身を置き続けることにも繋がってしまいます。
転職したい理由が複数ある場合は、優先順位をつけておきましょう。
2.転職プランを考える
具体的には、
- いつ辞めるか。
- いつ次の職場で働きだすか。
以上2点を決めておきましょう。
併せて、退職時にもらえるお金などの情報も収集しておくと、退職後の経済状況を予測できるため
- 退職後すぐに働きださなければならないのか。
- 少しの間無職でいられる期間があるのか。
などを判断する目安になります。
3.退職の意思を伝える
転職体験ブログやSNSなどを覗くと、看護師が退職を申し出た際は引き止めに合うケースが多いようです。
看護師は慢性的な人手不足なところが多く、特に30代看護師はリーダー・後輩指導などの経験も豊富である事が多く、私たちを一人前に育てるために、小さくない手間・コストがかかっているという点においても、「辞めさせたくない」と雇用側が考えるのは当然です。
退職をする側としても、できるだけトラブルは避けて円満に退職したいと考えると思います。
実際、私が退職を申し出た際も、何度も引き止められましたが、
- 退職の意思を伝えるタイミング
- 退職したい理由の伝え方
この2点を注意することで、トラブルなく円満に退職することができました。
どんなことに気を付けるべきか、それぞれ解説していきます。
1.退職の意思を伝えるタイミング
結論から言うと、退職の意思を伝えるのは、早い方がいいです。
なぜなら、「引き止めはされるもの」と割り切って、時間をかけて納得してもらうためです。
私の場合は、年度が変わってすぐに面談を組んでもらい、そこで今年度で退職を考えていることを伝えました。もちろんその際は上司から引き止められました。その後数か月ごとに面談を行い、意思が変わらないことを伝える続けると、次第に諦めたのか引き止められなくなっていき、10月頃には事実上ではありますが、退職が決定。再就職に向けて本格的に動き出すことができました。
最後まで上司からは「辞めるのやめた」って言ってもいいんだからね。と言われていましたが…。
私のケースでは、上司に恵まれた部分も大いにあるかもしれません。
しかし、早期に退職の意思を伝え、時間をかけて納得してもらうことでトラブルに発展しにくいのではないでしょうか。
※退職を早急に進めたい場合
ここまでは退職を早期に伝え、時間をかけて納得してもらう方法をおすすめしてきました。
しかし、退職に時間をかけられない、かけたくないという方も多いと思います。
その場合は、退職の申し出に関する法律として
民法・・・退職日の2週間前まで
労働基準法・・・期間は定められていない
この2つの法律があります。
そしてそれ以外に各病院などにより就業規定が定められています。
退職日から3か月~半年前までに退職を伝えるよう定められているところが多いようです。
現在の職場の就業規定を確認しておきましょう。
労働基準法や民法に反していなくても、就業規定を破って退職し、職場が損害を被った場合、訴訟を起こされるケースがあるようです。できる限り就業規定を守って、退職を伝えることは重要ですし、守れない場合はなおさら雇用側とのコミュニケーションをしっかりととる必要があるでしょう。
2.退職したい理由の伝え方
退職理由の伝え方としておすすめなのが、
- ライフイベントに関連づける
- 現在の環境ではできないことをやりたい
この2つです。この2つの共通点は「雇用者側が介入しにくい理由」な事です。
それぞれ解説していきます。
まずは、「ライフイベントに関連づける」について
近年のハラスメント問題などが要因となり、結婚・出産・育児・介護などライフイベントを理由にされると雇用側も引き止めしにくい傾向があるようです。
例えば…
- 時間外が多すぎて、家事・育児ができないので退職したい。
- 祖父母・親などの介護のサポートをしなければならなくなり、退職する必要がある。
- 夫・妻の昇進や異動により、この環境で仕事を続けるのが難しい。
- 妊活に専念したい。
このような理由で退職を希望されると、雇用側も納得せざるを得ない場合が多いでしょう。
退職理由が外部に漏洩することは個人情報の取扱いに厳しい医療業界ですのでありえません。
しかし、地方などの小さなコミュニティーでは噂話程度に流れて、再就職活動に影響する可能性もゼロではないと思いますので、作り話にするとしても多少の信憑性はあったほうが良いかもしれません。
次に、「現在の環境ではできないことがやりたい」についてです。
例えば…
- 介護福祉分野の看護がやりたい。
- 超急性期病院で最先端医療を経験したい。
- 美容ナースになりたい。
このような理由が挙げられます。
これらを理由とする利点は「現在の環境ではできないこと」なので、調整のしようがない点です。調整しようがなければ、希望を受け入れざるを得ず、引き止めを防ぐことができる可能性が高いでしょう。
※避けるべき退職理由
ここまでおすすめの退職理由を2つ紹介しましたが、逆に避けるべき退職理由もあります。それは「労働環境」や「人間関係」など、現在の職場で対応が可能な理由です。このような理由の場合、雇用者側は離職を防ぐためにできる限りの対応を提案してきます。
これにより状況が改善され、働きやすい職場になれば良いですが、
- 夜勤はなくなったが、常日勤で時間外が増えてしまった。
- 自分だけ時間外が免除され、他の人から白い目で見られるようになった。
- 部署異動になったが、異動先でも人間関係に悩まされた。
このように、その場しのぎな対応をとられるなど、かえって状況が悪化してしまうケースもあります。
そのため「労働環境」や「人間関係」など雇用者側が対応を提案しやすい理由は避け、「ライフイベント」や「現在の環境ではできないことをやりたい」など雇用者側が介入しにくい理由を伝えると良いでしょう。
※どんな理由を伝えても引き止めはされる!
ここまで雇用者が介入しにくい転職理由を書いてきましたが、どんな理由を伝えても一応の引き止めはされるものと考えておきましょう。
一番大切なのは、1.なぜ転職したいのか明確にした上で、ブレずに一貫した態度を貫くことです。
毅然とした態度で、転職を進めるのか、交渉の余地があるのか、「自分の土俵」で闘うことが重要です
4.再就職活動をする
再就職先を見つける方法として、
- 看護師転職サイトを利用する。
- ハローワークを通して見つける。
- 病院などのホームページから直接応募する。
- 友人・知人の紹介
- 求人サイト・広告から見つける。
このような方法があります。
この中でも、再就職活動で最もおすすめの方法は、看護師転職サイトを利用することです!
そのため、ここでは看護師転職サイトを利用した方が良いのかを説明していきます。
看護師転職サイトを利用するメリットとして
- ハローワークに出ていない求人も多数ある。
- プロのアドバイザーが担当して、転職活動をサポートしてくれる。
このような理由が挙げられます。
- ハローワークで希望の求人を見つけられなかった。
- 仕事・プライベートが忙しく自分で転職先を見つける時間がない。
- 初めての転職でどのように転職活動を進めて良いかわからない。
- 今の自分で考えられる最良の条件で働ける場所を見つけたい。
このような人は、看護師転職サイトを利用すると良いでしょう。
一方で、
- 国公立病院など大きな病院の求人が出ていない。
- 担当者との相性が合わない場合がある(連絡が多すぎる・条件に見合った求人を紹介してくれないなど)
といったデメリットも存在します。
国公立病院などは黙っていても新卒者の採用が多く、求人広告にお金をかけない傾向があるため、そのような病院を希望される場合はハローワークや直接応募の方が良いでしょう。
どこも看護師は慢性的な人員不足であり、ホームページなどで募集していなくても、直接電話連絡をすると面接を行ってくれるところもあるようです。
看護師転職サイトの担当者との相性に関しては、
- 最初に連絡頻度・希望条件などについて、しっかりと打ち合わせをしておく。
- 複数の看護師転職サイトに登録して、比較しながら転職活動を進める。
といった対処方法をとることで、自分のペースで、条件に見合った求人を探してもらうことができるでしょう。
5.退職の準備をする。
ここまで退職が決まるまでに行うことを説明してきました。
退職が決まったら、もう思い残すことはないですが看護師をしている人は、真面目で責任感の強い人が多いです。
退職した後も、前職について気になったりしてしまうことも多いでしょう。
そのため、退職が決まったら
- 自分が担っている役割を洗い出し、引継ぎをする。
- お世話になった方々へ退職することを伝える。
この2点はしておくことをおすすめします。
しっかり引継ぎをしておかないと、退職して新たな道を歩んでいるのに、元職場から「~ってどうなっているの?」「~について確認したいんだけど」など連絡が来るケースもあります。
また、看護業界は広いようで狭いものです。特に近隣の職場へ再就職する場合は、前の職場の同僚の知り合いの看護師がいたり、元同僚が知らずに同じ職場に転職してきたりする場合もあります。
新たな一歩に水を差されないよう、しっかりと引継ぎは行い、辞める職場への礼節は尽くしておきましょう。
まとめ
今回は転職に踏み切れない30代看護師に向けて、転職の進め方5ステップを紹介してきました。
- なぜ転職をしたいのか明確にする
- 転職プランを考える
- 退職の意思を伝える
- 再就職活動をする
- 退職の準備をする
この5ステップを踏んで転職を進めることで、不要なトラブルを避け円満に退職し、自身の希望に沿った再就職先を見つけることができると思います。
辛い現状を仕方がないこと・当たり前のことと思わずに転職に踏み出し、仕事もプライベートも充実した人生を自分の手で掴みましょう!
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